不動産売却の必要書類|査定・契約・引き渡し・確定申告の段階別一覧と取り寄せ先

売るナラウル編集部約8分で読めます

不動産売却の必要書類|査定・契約・引き渡し・確定申告の段階別一覧と取り寄せ先のイメージ

この記事のポイント

  • 査定の段階では、登記事項証明書と購入時の売買契約書・重要事項説明書を用意します
  • 引き渡しの登記では、登記識別情報(または登記済証)と作成後3か月以内の印鑑証明書を使います
  • 登記識別情報をなくしても、事前通知や資格者の本人確認情報で登記できます
  • 登記の住所が今と違うなら、2026年4月1日から住所変更登記が義務になっています
  • 確定申告では、取得費と譲渡費用が分かる契約書・領収書を使います

不動産売却の必要書類は、査定、売買契約、引き渡し、確定申告の段階ごとに違います。手元に保管しておく書類と、法務局や市区町村で取り寄せる書類があり、印鑑証明書のように期限のあるものもあります。

まだ売る時期が決まっていなくても、手元にあるかどうかを確かめておける書類は少なくありません。この記事では、書類ごとの取り寄せ先と、なくしたときの手続きを段階の順に並べます。

不動産売却の必要書類を段階別に一覧

売却で使う主な書類を、使う段階と取り寄せ先で並べました。物件の種類や取引の内容によって、ほかの書類を求められることがあります。

段階書類取り寄せ先・保管場所
査定・媒介契約登記事項証明書法務局(オンライン請求もできる)
査定・媒介契約購入時の売買契約書・重要事項説明書手元
査定・媒介契約管理規約・修繕積立金の分かる書類(マンション)、確認済証・検査済証など(戸建)手元・管理組合や管理会社
売買契約本人確認書類手元
引き渡し登記識別情報または登記済証(権利証)手元
引き渡し印鑑証明書(作成後3か月以内)市区町村
確定申告購入時の契約書・領収書、売却時の仲介手数料などの領収書手元

売買契約で本人確認書類を使うのは、宅地建物取引業者が売買の媒介などで取引時確認を行う事業者に定められているためです(犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条・別表)。

登記識別情報と印鑑証明書は引き渡しで使う

売主から買主へ所有権を移す登記では、売主の登記識別情報を提供します(不動産登記法第22条)。登記識別情報は、登記が済んだときに登記名義人へ通知される12けたの英数字です。登記識別情報の制度に切り替わる前に交付された登記済証(権利証)を提出したときは、登記識別情報を提供したものとみなされます(不動産登記法附則第7条)。

登記の申請書や委任状に添える印鑑証明書は、作成後3か月以内のものに限られます(不動産登記令第16条第3項・第18条第3項)。早く取りすぎると引き渡しの時点で期限を過ぎるため、取る時期は引き渡し日から逆算して決めます。売買契約の場面で求められるかは、不動産会社に確認してください。

法務局の資料(情報番号1311)には、登記識別情報を紛失しただけでは登記記録上の権利に影響はないと書かれています。盗み見られた可能性がある場合などは、登記名義人などの申出により登記識別情報を失効させる制度があります。不正な登記の差し迫った危険があるときは、申出から3か月以内の不正な登記を防ぐ「不正登記防止申出」もあります。

登記の住所と今の住所が違うときの住所変更登記

登記事項証明書の住所が今の住所と違う場合は、住所変更登記の義務の対象です。2026年4月1日から、不動産の所有者は住所や氏名が変わった日から2年以内に変更の登記を申請しなければなりません(不動産登記法第76条の5)。

印鑑証明書の住所と登記の住所が一致しているかは、売買契約の前に確かめておきます。法務省は、一度申出をすれば法務局が住所の変更を確認して登記する「スマート変更登記」も案内しています。

マンション・戸建で買主に説明される書類

不動産会社は、売買契約が成立するまでに、買主へ重要事項を書面で説明します(宅地建物取引業法第35条)。説明する項目の中には、売主の手元にある書類から分かるものが含まれます。

物件説明される項目の例根拠
マンション共用部分や専有部分の利用制限に関する規約、修繕積立金の規約と積立額、管理費の額、管理の委託先施行規則第16条の2
戸建など既存の建物確認済証・検査済証、建物状況調査の報告書、建設住宅性能評価書などの保存の状況第35条第1項第6号の2ロ、施行規則第16条の2の3

1981年5月31日以前に新築工事に着手した住宅では、耐震診断の結果の報告書なども保存状況の対象になります(施行規則第16条の2の3第6号)。

書類が見つからない場合でも、ないことが分かれば説明の内容を決められます。査定の段階で、あるものとないものを不動産会社に伝えておきます。

確定申告で使う取得費と譲渡費用の書類

売って利益が出たときの譲渡所得は、売った金額から取得費と譲渡費用を引いて計算します(国税庁 No.3202)。取得費は購入代金や購入手数料に改良費などを加えた額で、建物は減価償却費相当額を差し引きます。

  • 取得費:購入時の売買契約書、購入代金や手数料の領収書、リフォームなど改良費の領収書
  • 譲渡費用:仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代などの領収書

購入時の契約書が見つからず取得費が分からない場合は、売った金額の5%を取得費にできます(国税庁 No.3258)。3,000万円で売ったなら150万円です。所有期間で変わる税率、特例、確定申告の流れは「マンション売却の税金はいくら?」で扱っています。

まとめ:必要書類は、使う段階と期限から逆算してそろえる

  • 査定の前に、登記事項証明書と購入時の契約書・重要事項説明書を用意する
  • 引き渡しの登記では、登記識別情報と作成後3か月以内の印鑑証明書を使う
  • 登記識別情報をなくしても、事前通知や本人確認情報で登記できる
  • 登記の住所が今と違えば、住所変更登記の義務の対象になる
  • 確定申告に備えて、取得費と譲渡費用の領収書を保管する

まずは登記事項証明書を取り、所有者の住所・氏名と抵当権の記載を確かめてください。そのうえで購入時の売買契約書が手元にあるかを探し、見つからなければ査定を頼む不動産会社と税務署に相談します。書類が売却全体のどの段階で要るのかは「マンション査定の方法と流れ」で流れに沿って確かめられます。

参考にした資料

※ 2026年9月15日に確認した資料にもとづく一般的な説明です。個別の登記手続きは法務局・司法書士に、税額は税務署・税理士にご確認ください。

よくある質問

Q相続した不動産を売るときは、何が必要になりますか?
A売る前に、相続人の名義にする相続登記が必要です。相続で所有権を取得したと知った日から3年以内の申請が義務になっています(不動産登記法第76条の2)。手続きは法務省の「不動産を相続した方へ」のページに案内があります。
Q登記識別情報を誰かに見られたかもしれません。どうすればいいですか?
A法務局の資料では、登記名義人などの申出により登記識別情報を失効させる制度があると案内しています。不正な登記の差し迫った危険があるときは、申出から3か月以内の不正な登記を防ぐ「不正登記防止申出」もあります。
Q印鑑証明書は、査定を頼む段階で取っておくべきですか?
A登記で使う印鑑証明書は作成後3か月以内のものに限られるため、引き渡し日が決まってから取ると期限切れを避けられます。売買契約の場面で求められるかは、不動産会社に確認してください。
Q登記事項証明書はどこで、いくらで取れますか?
A法務局で、所有者でなくても請求できます。1通の手数料は、書面での請求が600円、オンラインで請求して郵送で受け取ると520円、オンラインで請求して窓口で受け取ると490円です(法務省「登記手数料について」、令和7年4月1日から)。

サムネイルのイラストは AI で生成したイメージです

あわせて読みたい