この記事のポイント
- マンションの売り時は「相場」「築年数」「税金の区切り」「暮らしの事情」の4つで考えます
- 相場の先行きは誰にも読めません。当てにいくより、定期的に参考価格を見ておくほうが確実です
- 築年数では、1982年以降の建物か・大規模修繕の前後かで、買主の見方が変わります
- 税金は、所有5年超・10年超と、住まなくなってから3年目の年末が大きな区切りです
「いつかは売るかもしれない。でも、いつ売るのがいいのか分からない」。マンションの売り時は、相場だけでは決まりません。この記事では、売り時を考えるための4つの物差しを図解で整理します。

売り時を決める4つの物差し
| 物差し | 見るポイント | 自分で決められるか |
|---|---|---|
| 相場 | 地域の価格の流れ、自分の部屋の参考価格 | × 決められない |
| 築年数 | 1982年以降か、大規模修繕の前後か | △ ある程度 |
| 税金の区切り | 所有5年・10年、住まなくなって3年目の年末 | ○ 時期を選べる |
| 暮らしの事情 | 住み替え・転勤・家族の変化・負担 | ◎ 自分で決める |
1. 相場:上がっているときに売れば得、とは限らない
国土交通省の「不動産価格指数」を見ると、マンション(区分所有)の価格は2013年ごろから上昇が続いてきました。一方で、この先も上がり続けるか、どこで下がるかは誰にも分かりません。
- 自分の部屋の価格は、全体の相場とは別に動く:同じ市区町村でも、駅からの距離・築年数・広さで動き方が違います
- 住み替えるなら、次の家も同じように動いている:高く売れる時期は、次の家も高いことが多いです
2. 築年数:買主が気にする2つの区切り
中古マンションは、一般に築年数が進むほど価格が下がる傾向があります。ただし下がり方は一定ではなく、買主が気にする区切りがあります。
1982年以降の建物か(住宅ローン控除)
買主が住宅ローン控除を使えるかどうかは、買いやすさに直結します。2022年以降の入居では、1982年(昭和57年)以降に建築された住宅は新耐震基準に適合しているものとして控除の対象になります。それより前の建物は、耐震基準に適合していることの証明などが必要です。
大規模修繕の前後

| タイミング | 買主から見た印象 | 確認しておくこと |
|---|---|---|
| 修繕の直後 | ○ 外観・共用部がきれい | 修繕の内容と費用 |
| 修繕の直前 | △ 工事中は内覧しにくい | 工事の時期と期間 |
| 積立金が不足 | × 一時金・値上げを敬遠 | 長期修繕計画と積立金の残高 |
3. 税金の区切り:5年・10年・住まなくなってから3年
売って利益が出る場合、所有期間と住まなくなってからの期間で、税金が大きく変わります。
- 所有5年以下39.63%
- 所有5年超20.315%
- 10年超のマイホーム(6,000万円以下の部分)14.21%
所有期間は「売った年の1月1日時点」で数えます。出典: 国税庁 タックスアンサーをもとに作成
- 所有5年超:税率がおよそ半分に(売った年の1月1日時点)
- 所有10年超のマイホーム:さらに軽減税率
- 住まなくなってから3年目の12月31日:この日を過ぎると、マイホームの3,000万円特別控除が使えない
計算のしかたは「マンション売却の税金はいくら?」で詳しく説明しています。
4. 暮らしの事情:いちばん大事な物差し
売ることを考え始めるきっかけ
- 1転勤・転職で住む場所が変わる住まなくなると3,000万円控除の期限が動き出す。売るか貸すかを早めに決めたい。
- 2家族の人数が変わった子どもの独立、介護、同居など。広さや間取りが合わなくなったときは住み替えの候補に。
- 3管理費・修繕積立金・税の負担が重い毎月の負担と、売った場合の手取りを並べて比べてみる。
- 4ローン残高と参考価格の差が広がった手取りが次の住まいの頭金に足りるなら、動きやすいタイミング。
順位の考え方: 暮らしへの影響が大きく、判断を先送りしにくいと編集部が考える順
季節は「決め手」ではない
1〜3月は、転勤や進学に合わせて住まいを探す人が増えるため、動きが出やすい時期と言われます。ただし季節による差は、相場や物件そのものの条件に比べれば小さなものです。季節に合わせて急ぐより、準備が整ったタイミングで動くほうが、納得のいく売却につながります。
まとめ:売り時は「線を決めて、見守る」
- 1いまの参考価格を知るカチミルで、国の取引データから参考価格を出す。
- 2手取りを計算して、売ってもいい線を決めるテドリ計算で、費用と税金を差し引いた手取りを確認する。
- 3売るかもとして登録し、見守る条件に合う買うかもの登録や、相場の動きをお知らせで受け取る。
ナラウルの「売るかも」は、売り出しではありません。登録しても物件が売りに出されることはなく、売ると決めたときだけ、同意のうえで提携の不動産会社を紹介します。
参考にした資料
- 国土交通省「不動産価格指数」
- 国税庁 タックスアンサー No.3302「マイホームを売ったときの特例」、No.3305「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-1「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
- 国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」
※ 2026年9月時点の情報にもとづく一般的な説明です。
よくある質問
- Qマンションは築何年までに売るのがよいですか?
- A誰にでも当てはまる年数はありません。買主の見方としては、住宅ローン控除の対象になる1982年以降の建物か、大規模修繕の前後か(修繕積立金の状況を含む)が判断材料になります。
- Q買ってから5年以内に売ると損ですか?
- A利益が出る場合、売った年の1月1日時点で所有5年以下なら税率が39.63%と高くなります。ただし自分が住んでいた家なら3,000万円の特別控除で税金がかからないことも多いので、まず手取りを計算してみましょう。
- Q相場が下がったら売れなくなりますか?
- A価格が下がっても取引はあります。相場の天井を当てるより、自分の部屋の参考価格を定期的に確認し、「この価格なら売ってもいい」という線を決めておくほうが判断を誤りにくくなります。
サムネイルのイラストは AI で生成したイメージです



