この記事のポイント
- 退去の連絡の期限は賃貸借契約書の「解約予告期間」で決まります。1か月前が多く、2か月前の契約もあります
- 連絡が遅れると、予告期間分の家賃を払うのが一般的です
- 連絡は管理会社(または大家さん)へ。電話で伝えたうえで、解約通知書を出すのが確実です
- 退去時の費用は、通常の使用による傷みや経年劣化は貸主の負担が原則です
「引っ越そうかな」と思ったら、最初に確かめたいのが退去の連絡の期限です。この記事では、退去の連絡はいつまでにするのか、どう伝えればいいのか、退去までに何をするのかを図解で説明します。

退去の連絡はいつまで?(何ヶ月前か)
退去の連絡の期限は、賃貸借契約書に書かれた「解約予告期間」で決まります。「解約」「解約予告」「中途解約」などの見出しの条文を探してみましょう。
| 契約の種類 | 連絡の期限の目安 |
|---|---|
| 一般的な居住用の部屋 | 1か月前が多い |
| 法人契約・一部の物件 | 2か月前などのことも |
| 定期借家契約 | 途中解約の条件は契約ごと(下の注意を参照) |
連絡が遅れたらどうなる?
- 退去日の1か月前に連絡0万円
- 退去日の2週間前に連絡4万円
連絡した日から予告期間(1か月)分の家賃を払うのが一般的なため、2週間前の連絡だと、退去したあとの約2週間分(約4万円)も払うことになります
引っ越しの日が決まる前でも、退去すること自体が決まったら、早めに連絡しておくのが安心です。最後の月の家賃を日割り・半月割り・月割りのどれで計算するかも契約で決まっているので、確認しておきましょう。
退去の連絡のしかた(言い方)
連絡の方法ランキング
おすすめの連絡の方法
- 1電話 + 解約通知書(書面・Web)電話で意思を伝え、管理会社が指定する解約通知書を出す。記録も残り、いちばん確実。
- 2解約通知書だけ指定の書面・Web フォームを出す。受け付けたかどうかの確認は必ずとる。
- 3メール・LINE だけ管理会社が認めていれば使えるが、指定の方法でないと受け付けられないことがある。
順位の考え方: 連絡した日の記録が確実に残り、行き違いが起きにくい順(編集部の見方)
伝えること
- 名前と、物件名・部屋番号
- 退去する日(解約日)
- 退去の立会いの希望日時
- 引っ越し先の住所と連絡先
- 敷金の返金を受ける口座(あとで書類で聞かれることもあります)
電話で伝えるときの例文
「〇〇マンション△△号室を借りている□□です。△月△日で退去したいので、解約の手続きをお願いします。解約通知書の出し方と、退去の立会いの日程を教えてください」
退去までの流れ
- 1契約書を確認する解約予告期間・家賃の精算方法・退去時の費用の定め(特約)。
- 2管理会社に解約を連絡し、解約通知書を出す
- 3引っ越し業者を決める繁忙期(2〜4月)は早めに。
- 4電気・ガス・水道・インターネットの停止や移転を申し込むガスの開栓は立会いが必要なことが多い。
- 5郵便の転送を申し込む日本郵便の転居届で、1年間の転送ができる。
- 6荷物を出し、掃除をする
- 7退去の立会い部屋の傷や汚れを管理会社と一緒に確認する。
- 8鍵を返す
- 9敷金の精算原状回復の費用を差し引いた残りが返ってくる。
退去費用(原状回復)で知っておきたいこと

退去時には、借りたときの状態に戻す「原状回復」の費用を求められることがあります。ただし、普通に暮らしていてできる傷みや、年数がたって古くなった分(経年劣化・通常損耗)は、借主が負担しなくてよいのが原則です。2020年4月に施行された改正民法第621条で、このことが明文化されました。
| 例 | 誰の負担? |
|---|---|
| タバコのヤニ・におい、ペットによる傷 | 借主になりやすい |
| 物を落としてできた床のへこみ・傷 | 借主になりやすい |
| 掃除をしなかったことによるカビ・汚れ | 借主になりやすい |
| 日焼けによる壁紙・床の変色 | 貸主が原則 |
| 家具を置いていた跡のへこみ | 貸主が原則 |
| 画びょうの小さな穴(下地の張り替えが不要な程度) | 貸主が原則 |
「まだ決めていないけど、そのうち引っ越すかも」なら
退去の連絡は、一度出すと取り消しが難しいものです。「いつか引っ越すかもしれない」という段階なら、正式な連絡の前に、自分の中で時期を整理しておくのがおすすめです。
ナラウルの「退去かも」は、引っ越すかもしれない気持ちを、時期(3か月以内・半年以内・1年以内・未定)とあわせて登録しておける機能です。「退去かも」の登録は、賃貸借契約の解約の通知ではありません。実際に退去するときは、この記事のとおり、契約に従って管理会社へ連絡してください。
参考にした資料
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」
- 民法 第621条(賃借人の原状回復義務)
- 借地借家法 第38条(定期建物賃貸借)
- 日本郵便「転居・転送サービス」
※ 2026年9月時点の情報にもとづく一般的な説明です。個別の契約の内容は、管理会社・大家さんにご確認ください。
よくある質問
- Q退去の連絡は何ヶ月前までにすればいいですか?
- A賃貸借契約書の「解約予告期間」によります。居住用の部屋では1か月前が多く、2か月前としている契約もあります。
- Qメールや LINE で退去を伝えてもいいですか?
- A管理会社が指定する方法に従いましょう。電話で伝えたうえで、指定の解約通知書(書面・Web フォームなど)を出すと、連絡した日の記録が残って安心です。
- Q退去日はあとから変更できますか?
- Aまずは管理会社に相談してください。すでに次の入居者が決まっている場合などは、変更が難しいことがあります。
- Q退去費用はどこまで払う必要がありますか?
- A普通に暮らしていてできる傷みや経年劣化は、貸主の負担が原則です(民法第621条)。タバコのヤニや物を落とした傷など、借主の故意・過失による傷は借主の負担になります。契約書の特約も確認しましょう。
サムネイルのイラストは AI で生成したイメージです



